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半月板損傷(断裂)とは?

2016/02/01

半月板損傷(断裂)とは?

写真付き解説はブログ
http://ameblo.jp/shiga-clinic/entry-10826698787.html


膝の関節(動く部分)は大腿骨(太もも)と脛骨(すね)と膝蓋骨(お皿)の3つの骨からできています。


関節の表面はつるつるとした軟骨で覆われています


また、大腿骨と脛骨の間には半月板というクッションがあります。

半月板は膝内部の内側(内側半月板 )と外側(外側半月板)に1枚ずつあります。

大腿骨と脛骨からなる関節面に介在して膝の動きをスムーズにしたり、膝関節の動き(屈曲・伸展、内旋・外旋)に際して膝関節を安定させたりするとともに、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッション的な役割(衝撃吸収)を果たしています。

そもそも半月板とは大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある軟骨(関節軟骨と異なりコラーゲン線維が豊富な線維軟骨から構成され、重要な機能である衝撃吸収能を維持する上で有利です)です。

半月板は膝関節の内側と外側にあり、上からみると「半月の型」をしています。

また、半月板は繊維軟骨とコラーゲンからできていて、周辺の関節包からの血液と周囲にある関節液からの栄養を受けて維持されていて、通常、長さ40ミリ、幅8ミリ、厚さ1〜4ミリ程度の大きさをもつ三日月形の形状、すなわち外側は厚く、内側が薄くなっているのが特徴です。

半月板の働きは半月板の働きは「クッション」です。膝にかかる負担や衝撃を吸収する「クッション」の役割を果たしています。

もう一つは膝の関節を安定させる働きもあります。

このように半月板は重要な作用を有しており、1度損傷されると血行に乏しいがゆえに治癒能力が低く、後年になって膝関節機能障害をきたすことが報告されているため、半月板損傷に対しても適切な診断と治療が重要です。

<半月板損傷の原因>


半月板は膝をひねる時に傷むことがよくあります。


テニスのスウィングやサッカーのキックの際に痛めたり、日常生活ではこたつから立ち上がるときや階段を降りる時にもいためることがあります。また、上記にあるとおり、前十字靭帯の不全により、半月板の損傷を生じることも多く見られます。




半月板損傷は、スポーツなどの原因で過剰な衝撃が加わったり、不用意なひねりが加わることでヒビが入ったり、裂けたりする損傷を受けることがあります。これが半月板損傷です。

バスケットボール、バレーボール、体操、サッカー、テニス、野球、スキーなどのスポーツで発生頻度が高いものです。

 膝をひねるようなあらゆる場面で起こりますが、ほとんどはスポーツ活動中に発生しています。


ジャンプ着地などに際して膝関節が屈曲しつつ回旋(ひねり)が加わると、水平方向のストレスが加わります。

そのストレスによって半月板を部分的もしくは全体的に損傷(断裂)します。

例えば、片足で床を滑ったとき、 横から膝にタックルされたとき、ジャンプ着地時に膝が外反屈曲してひねりが加わったとき、などに発生します。水泳の平泳ぎでも起こります。平泳ぎで起こるのは膝に繰り返しのひねりの力が加わるためであり、ランニングなどの単純な動作でも徐々に半月板が摩耗して起こります。

半月板を単独で損傷する場合と前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷を併発することがあります(後述)。関節軟骨の損傷を伴うこともあります。

また逆に、前十字靱帯損傷の後遺症で膝に緩みが生じ、それが誘因となって半月板を損傷するケースも多く見られます。

また加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合があります。

半月は加齢に伴い変性するので、40歳以上ではちょっとした外傷でも半月損傷が起こりやすくなります。

外傷で損傷する場合は、スパッと鋭利に断裂(縦断裂、横断裂、水平断裂)しますが、加齢による場合はバサバサに痛んだ状態(変性断裂)で切れます。
半月板が傷むと膝の内部の表面はスムーズでなくなり、このために痛みやひっかかりが生じたり、また、水(関節液)がたまったり、断裂半月板が関節内にはさまって急に膝が動かなくなる“ロッキング(下記参照)”という状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。

半月板のロッキング:1回の急激な膝へのストレス(主に膝をひねったり)によって元々の断裂半月板(もしくは初回断裂の半月板)が関節にはさまり込んで、関節がある角度から伸展できない状態(ロッキング症状)となり、激痛及び可動域制限が起こり、歩行ができなくなるケースもあります。

また、これをそのままにしておくと関節炎が起こります。

膝関節に水や血がたまる水腫や血腫を合併します。

さらに長期化すると、患側を無意識でかばうために大腿四頭筋が萎縮してきます。

さらにひどくなると、断裂した半月板がめくれて大腿骨や脛骨の関節の軟骨を傷つけ、骨を変形させる(変形性膝関節症)原因にもなります。

また、半月板は、膝の内側と外側にあり、どちらの半月板が損傷しているかによって痛む場所がちがいます。

半月板の損傷部位に一致して膝関節部に圧痛及び運動時痛があります。

膝関節を屈曲―伸展しひねりを加える手技(McMurray test)で痛みを生じます。

内側半月板損傷のほうが、外側半月板損傷より5倍も多く発生しています。

またスポーツをした後や、階段の上り下りや歩行、しゃがんで立ち上がるときなどに痛みを感じることが多くなります。

また、膝を屈伸したりねじったりすると、コリッと音とともに激痛がはしることもあります。

なお半月板損傷の患者さんに多いのは「前十字靭帯損傷」です。これは手術以外では治癒しない膝の中の靭帯断裂です。

慢性期には膝に重心をかけたときや歩行時や急に膝をひねった際に「膝がくずれる、はずれる」感じがすることがあります。

これを「膝くずれ(Giving way)」といいます。

さらに、内側の靭帯損傷(捻挫)が加わると「Unhappy triad(不幸の三徴)」といいます。

重症ですので、早急に医療機関を受診する必要があります。

半月板損傷の診断

膝をひねった後など、膝関節にこれまでの症状が発生したら、まず整形外科専門医を受診し、傷害の内容や程度を把握すべきです。

半月板はレントゲンに写りません。

診断はMRI検査 が有用です(写真 )。

診断率も 95%と非常に高いので、最近では以前行われていた関節造影を行うことはまずありません。

MRIは合併する靭帯損傷の診断にも有用です。

半月板損傷に対する治療方針の決定上で重要な点は、前十字靱帯など他の靱帯損傷との合併の有無、損傷してからの時期、そして損傷部位です。

最終的には、関節鏡検査(関節鏡を小切開で膝関節へ挿入し、半月板や靱 帯、関節軟骨など関節内の状態を、テレビ画面に映し出された映像から肉眼で観察)を行って確定診断を下します。

<半月板損傷の治療法>

半月板は元来血行が乏しい組織であるため治癒能力が低く、治癒促進のため様々な試みがなされています。

多くは保存的治療で症状が軽快します。

軽症であれば、装具やテーピングなどの補助補強、疼痛軽減目的でのリハビリテーションを行います。

初期には局所の安静、関節穿刺〈せんし〉による関節液の吸引、局所麻酔剤やステロイド剤(消炎効果)の注入、最近ではヒアルロン酸注射が半月板損傷に有効という報告もあります(ただし保険適応外)。

また、筋萎縮予防や疼痛の軽減を目的として、大腿四頭筋、膝関節周囲の物理療法(低周波や干渉波による電気刺激)も実施します。

リハビリテーションや抗炎症薬の処方などで症状が改善しない場合には手術を行います。

手術法には切除術(損傷した部分を切り取る)と縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。

1.半月板切除・・・・傷んだ部分を切り取り、形を整えます。

2.半月板縫合・・・・断裂部を縫い合わせます。

どちらの治療法を選ぶかは、MRIや実際の損傷の状況を関節鏡で確認してからになります。

半月板はクッションの役割をしているため、可能な限り温存しておくことが望ましいとされています。
しかし、半月板は血行が乏しい組織であることから、損傷の形態もしくは場所によって治療方法が決定されます。
一般的には半月板の周辺部は他の部位に比べて縫合にて治癒する可能性が比較的高いとされています。
半月板を縫合するには、通常の関節鏡の手術創に加えて別に手術が必要である事に加えて、部分切除に比べてリハビリも長くかかります。
このため縫合して治癒する可能性が高いと思われる場合には、縫合術を選択し、可能性が低い場合には、部分切除を選択されます。
若年者を除けば、多くの場合、切除術が選択されるのが現実です。
しかし、半月の治癒に影響を与える因子は他にもありますので、様様な状況を考慮して最終決定がなされます。

<手術による傷>
1.半月板切除なら、関節鏡を使って非常にちいさな切開で可能です。(膝頭上部に2箇所に半径1cmほどのバッテンの傷のみ)
2.半月板縫合なら、1.の2箇所の傷のほかに、縫合のために別に1箇所切開することが必要になります。

原因が様々であるため、損傷の形も様々で形態により変性断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂に分類されます。損傷の状態によっては放置すると、さらに関節軟骨を傷めることもあります。

縫合や切除は関節鏡を用いて以下のように行われます。

カメラを関節内に挿入して、テレビ画面で関節内を観察したり、専用の手術器械で治療を行います(関節鏡)。

前十字靱帯損傷に続発または併発した場合には前十字靱帯損傷に対する再建術を考慮すべきです。

また、半月板は軟骨であり、血行にとぼしくわずかに半月板辺縁に毛細血管が存在しているだけですので、血行のある辺縁部断裂の場合に半月板縫合術の適応になり、その場合には可及的早期、できれば受傷後3週以内に縫合することが治癒機転上で有利です。

半月板の変性や摩耗が著しく、嵌頓(かんとん)に伴う痛みや関節可動域制限をきたしている場合には、最小限の半月板切除を行います。

半月板損傷パンフレット
http://www.joa.or.jp/jp/public/publication/pdf/joa_011.pdf